イギリスでも、黙っていられません

海外駐在妻の、世界へ向けたひとりごと

日本で英語の先生を探した話 3 先生の授業 スピーキング編

※登場人物は仮名です。

 

これまでの話はこちら↓

 

 

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 ジョンの人柄をすっかり気に入った私は、

ジョンの英語教室の無料体験に行った。

授業はとても興味深いもので、私は迷うことなく入会届を提出した。

ケチで気難しいところがある私にとって、こんなにすんなりと決断するのは初めてのことだった。

 

ジョンのスピーキングの授業の様子を紹介する。

 

生徒は4名。

私は英語のフリートークが得意ではない。

なぜかというと、日本人同士で英語を話すとどうしても個人的な話をすることになるから。

私は、自分の職業や年齢や身の上話や趣味について他人に話すことに抵抗がある。

英語の苦手意識に相まって、この感覚が私の英語上達を妨げ続けていた。

 

しかし、ジョンの英語教室はそんな気持ちを持たせないスピーキングの授業だった。

 

議題は社会的なものを用い、個人的な経験談を強要することはない。

例えば4つの職業を順番に紹介するテキストをみんなで読み、「君ならどの仕事に就きたいか?その理由は?」という議論を深めるとする。

ジョンは真っ先に自分の意見を言った。
そうして私たちが意見を準備する時間を作り、文章を組み立てる土壌を整えてくれた。

そして、私たちがうまく表現できない気持ちを察して、適切な単語をいくつか紹介してくれた。ジェスチャーを交えて単語を説明し、私たちの記憶の中にしっかりとその語彙を植え付けてくれた。

 

さらにジョンは、私たち生徒がどんな職業に就いていて、どういう性格なのかよく把握している。

まるで日本語で話しているように冗談やからかいを交えて私たちの反応、発言を引き出そうとしてくれる。

 

無料レッスンを終えた私の中には、「あのときこういえばよかったな」「この気持ちを説明するにはどんな単語を使えばよかったかな」「ジョンにこう言われたときうまく説明できなかったあの気持ちはなんだったんだろう」と頭をぐるぐる回転させることになった。

 

これまでの英語教室では、そんな気持ちになることはなかった。

ただただ、与えられたテキストを読んだり、覚えるべき単語の発音を繰り返したり、そんなだった。

でも、ジョンは毎日たくさんのお土産ワードをくれた。

テキストに載っている単語ではなく、私たちのレッスンの中で突如登場した単語たちをジョンはパソコンで記録し、グーグルドライブで生徒に共有した。

そして、翌週にその単語を使って話題を持ち掛けたり、抜き打ちテストを仕掛けてきて、答えられないと「先週やったじゃんか。なんで覚えていないんだ。覚えていないなら、学んでいないも同然だ」と言った。

 

目からうろこが落ちた。

私は英語の先生の質ばかり求めていた。

自分がどんなふうに授業を受け、なにを復習するべきか、それを棚に上げて先生の質ばかり求めていた。

どんなにいい先生に教わっても、自分が受け身でいる限り新しい技術は身に着かない。

猛反省した私は必死で勉強した。

 

その当時英検準1級の試験勉強もしていたのだが、気が付くとジョンは英検準1級、そしてIELTSの試験に出てくる単語も織り交ぜて、私たちの授業の中で紹介してくれた。

 

ジョンの熱心な指導のおかげで、私は英検に合格できたのだと思う。

英語の勉強はときに孤独で、だからこそ先生の熱心さに助けられる。

 

続く…