チャーリーのカフェ&バー ハロウィンパーティー
※登場人物は仮名です。
今年のハロウィンは日本のにいた。
私の地元のチャーリーのカフェ&バーが助っ人を募集していたので、
そこでボランティアとして馬車馬のように働いた。
被災者への配慮もあり仮装も自粛傾向にあるという今年のハロウィン。
しかし、木曜日の夜にも関わらずたくさんの大人たちが張り切った仮装をしていた。
普段自宅に引きこもっている私にはすごく刺激的な光景で、一夜明けた今も夢の中にいるような気持ち。
アメリカ、シアトル出身のチャーリーのカフェ&バーは今年オープンしたばかり。
これまでのアットホームなコーヒーショップとは異なり、おしゃれでちょっと凝ったアメリカンな食べ物とおいしいお酒を提供する店に生まれ変わった。
外国籍のお客が多いので、ハロウィンの賑わいはほかの店の比ではない。
私は頭を英語脳と日本語脳に切り替えまくり、初めて目にする食べ物とドリンクの金額を頭に入れて勘定するために頭をフル回転させていた。
客はカウンターにどんどん押し寄せ、しかも外国籍の方は平気で1万円札を差し出す。
チャーリーよ、キャッシュレス対応にしてくれ!と叫びたくなるのをぐっとこらえ、大量の100円玉を用意してもらう。その間にも、どんどんオーダーが入ってくる。
「いいよいいよ、おつりの400円は次のビールのオーダーに使わせてもらうから」と言って人込みの中に消えていった客に戸惑う。
「今から車をとめてくるから、20分後にバーガー用意しといて」とあわてて出ていくマットにむかって瞬時に「戻ってきたら声かけて!」と声をかけることができた私は、英語が上達したのだろうか。それともとっさの反射的な行動だったのだろうか(絶対に反射)。
ミルクたっぷりのコーヒー、氷なしのジュース、ビーガン対応…これらのイレギュラー注文を外国籍のアルバイターに報告するのにも骨が折れた(しっかりしてくれ、私の語学力…)
そんなクレイジーでカオスな店でオーダーをまわすために、メニュー表と電卓にかじりついていた私。
そんなパンクしかけたいた私の頭の片隅にある、客のコスプレをたどってみよう。
魔法使い
圧倒的に多かったのは魔法使い。
イギリスでは魔法使いというとハリーポッターの仮装が目立ったけれど、チャーリーの仲間であるアメリカ系外国籍の方が集うこのカフェ。
黒いとんがり帽子の古典的なウィザードが多いのは、『オズの魔法使い』が今も文芸の世界にしっかりと根付いているアメリカだからだろうか(今もアメリカ映画やドラマの中には、ひんぱんにオズの魔法使いがらみのジョークや喩え話が登場する)。
対する日本の魔法使いたちは、派手な魔法のステッキや、オレンジと紫のハロウィン装飾をじゃらじゃらとつけている。これは、日本のサブカルチャーによるものだろうか。
魔法戦士とか、魔法少女とか、そういう香りがプンプンする。
日本人 中年男性の仮装
中年男性の気合の入った仮装にも目がいった。
ドラキュラや学生服、70年代っぽいなという印象があった。
彼らの共通点は、細かい設定にこだわりを見せているところ。
「ドラキュラだから」と、メニューにないトマトジュースを要求してきたおじさま。
学生服で登場し、「未成年じゃないですからね」とにっこりする40代のおにいさま。
アラサー女性のプリンセス率の高さ
日本人のアラサー女性は、驚くほどプリンセス率が高かった。
ディズニープリンセスの衣装を購入し、ティアラなど小物も忠実に再現している。
私が小さい頃はまだまだ写真は特別感のあるものだった。
七五三といえば伝統的な着物を着るくらいだったから、
ドレスを着て撮影する子をうらやましいと思った覚えがある。
そんな願いをかなえるために、20年以上経った今、プリンセスのドレスを着るのだろうか。
小学生のころにプリクラ文化が登場し、スマホの普及とともにスノウで加工された写真になじんだアラサーは、「かわいい」へのあこがれが強いのかもしれない。
世界のハロウィン
今回のハロウィンパーティーに、客ではなく店員として携わったのはとても面白いことだった。店にいるすべての人のコスプレを観ることができた。
アメリカスタイルのハロウィンと日本のハロウィンのコラボレーションを観ることができた。
ハロウィンはアメリカが発祥と言われているが、イギリスでもスコットランドで伝統的な風習が存在する。
スコットランドやイギリスのハロウィンはあくまで子どものためのお祭りであり、さらには、死者の霊がかえってくる宗教的な行事のひとつとしてとらえられている(お盆みたい!と思うのは私だけ?)。
お祭りに参加するのは苦手だけれど、今後も世界のイベントについて観察してみたい。
11月は、メキシコの死者の日、イギリスのリメンバランスデイ、そしてガイフォークスのお祭りがひかえている。