日本で英語の先生を探した話 2 先生の、ここが好き
※登場人物は仮名です。
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※登場人物は仮名です。
新しい英会話教室探しを始めて1か月が経った。
英会話教室の質だけでなく、私の気難しさが英会話教室探しを妨害しているのかもしれない…とあきらめかけつつ、最後に連絡した英語教室はジョンの家だった。
あいにく電話は留守電で、私はすっかり気力をなくしていた。
しかし30分後、私の携帯に折り返しの着信が入った。
そして、カタコトの日本語で伝言メッセージが入ってきた。
オーナーのジョンらしき男性の声。
その当時あまり英語で話すことが得意でなかった私は、ジョンの積極性に励まされた。
伝言メッセージ、そして携帯のテキストメッセージを駆使して短い日本語のやりとりをし、私と話す時間を作ろうとしてくれるジョンに好感を持った。
会ってみると、ジョンは今まで会った「英会話の先生」とは全然違う印象だった。
スコットランド出身の彼は、英語教室の事務員を雇わず、
日本人の奥さんにも頼ることなく、自分で事務・会計・授業を取り仕切っていた。
私は自分のことを英語で説明した。
私がどうして英語を学びたいと思っているのか。
どんなことで困っているのか…
すごく稚拙な英語でゆっくり話したのだが、ジョンは1時間も耳を傾けてくれた。
そして、話す中で私に教えてくれた単語をすべてワードに打ち出し、グーグルドライブで共有してくれた。それらの単語は今も私の頭の中にしっかりおさまっている。
ジョンとの面談で私が教育関係の仕事をしていること、教員免許を持っていることなどを話すと、「じゃあ3月は忙しいね。学期の切り替えの時期だものね」と言っていた。
こんな世間話を英語でできるなんて、なんだかいいなと思った。
また、会話の中で私の迷言(not 名言)を聞くと「君は面白いね。君から日本語を習ってみたい」と大笑いしていた。
ジョンの会話はとてもやわらかく、これまでの外国籍教師の「事務的」なコミュニケーションと違うのが、いいなと思った。
そんなジョンに私はさらなる期待を込めて「実は、英語の試験勉強もしたい」という旨を伝えた。
「IELTSや英検の勉強の手助けをしてもらえるか」と尋ねると、ジョンはきっぱりと「それはこのクラスでは無理だね」と言った。
「僕の教えるのは日常会話であって、英語の試験の勉強となると別のクラスでやることになる。ただ、そのクラスはスピーキングに特化していないから、君は2つ授業を取ることになる。しかしもう1つの授業は独学でもできることだから、君に必要かどうかはわからないな。」
そういいながら、私が独学で勉強するのにおすすめのテキストをアマゾンで探し、そのURLをポンと私に送ってくれた。
そんなジョンの姿を見て、この人から英語を習うことを決めた。
ジョンは、自分にできることできないことがはっきりと分かっている。
わからないことを曖昧にしたり、誇張して期待を持たせたりしない。
自分ができること、自分のシェアできる情報は惜しみなく出して協力してくれる。
この人なら、きっと素敵な授業をしてくれるだろう。
無料体験の授業について聞いたところ、ジョンはしばらく考えて、私とレベルも趣味も合いそうな生徒がいるから、と金曜日の夜の授業を紹介してくれた。
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