イギリスでも、黙っていられません

海外駐在妻の、世界へ向けたひとりごと

イギリスロックダウン36日目 泣いてたよね?

 

 

数日前、日本時間19時くらいにオンライン帰省した。

ガラケーを使い続け、メールに写真を添付するのもおぼつかない両親だが、数か月前にスマホを託し、電話のかけ方を教えたのでこうしてときどき電話できるようになった。

夕飯の時間だったので90代の祖母もリビングにいた。

まだテレビ電話の機能に慣れない父の操作により、おばあちゃんの顔は半分しか映らなかった。始終父の目と鼻だけしか映っていないので、母の顔を見せろと催促すると父は拗ねてしまった。

挙句の果てには「俺は1時間半かけてメールで日本のニュースを書いて送ってやったのにお前の返信はそっけない」と恩着せがましい。

そんな我が家お決まりの笑える展開にほっとしていたのだが、気づくと母の目が潤んでいた。

母はいつも気丈で、心配性の私をなだめたりお気楽な父にツッコミを入れる存在なのですっかり油断していた。

最近のメールから察するに、母もやっぱり疲れていたし、不安だったのだと思う。

親戚のお葬式に弔問できなかったり、自分より年下の女優さんが亡くなったり、近所のホームセンターのペットコーナーが撤退したり。

不安が自分の近くに迫ることによって、私への心配も募ったのだろう。

お気楽な父と義母の面倒を毎日見ながら感染症や健康のことに気を遣う生活も、ベテラン主婦とはいえ疲れることだろう。

 

私からしたら、今日本に帰らないことが自分にできる最大の親孝行だと思っていた。

あんまりたくさん家族に連絡して、逆に心配をさせてはいけない、

私自身も里心がついたらまずい、と、連絡の頻度も落としていた。

(実は不摂生がたたって体調も芳しくなかった)

でもそれが両親の不安を募らせていたとしたら。悪いことをしたなと思う。

 

私と夫がイギリスにいる間に遊びに来たいと言っていたのに、それもかなわず。

祖母の介護の合間の月1回のショートステイ中に出かけていた日帰り温泉すらも行けない、図書館も行けない。

こんなことなら、もっとインターネットの使い方を教えてあげていればよかったなと思う。

 

そんなこともあり、最近は1日に1回メールをするようになっている。
なるべく動画や写真も織り交ぜて、少しでもイギリスにいるような気分に浸ってもらえたら嬉しい。

父母に新しい話題を作るためにアンテナをはって生活しているので、私にも張り合いがあっていい。

 

父母に、90代の二人の祖母に、兄家族に、大切な友達に。

会いたい人に元気に笑って会える日のために。

できることは精一杯やっていきたいと改めて思い、気が引き締まった日だった。