ヒロシマの子、フクシマの子、武漢の子
友達が、「イギリスで嫌な思いをしていないか」と、心配して連絡をくれた。
彼女の友達が最近ニューヨークに住むことになり、到着直後から「コロナコロナ」と差別され、悲しい思いをしてふさぎこんでしまったという。
私の住む町は学術都市なので、世界中から留学生や研究者が集まり、1‐2年で帰国する人もいれば、
そのまま10年、半世紀をこの地で過ごす人もいる。
そんな環境だし、ほとんど出歩かない私は、新型コロナウィルスによる差別的発言を浴びせられたり、あからさまな嫌がらせを受けたことがない。
「あからさまな」いやがらせは、ない。
むしろ怖いのは、自分の中に潜む、差別や偏見の気持ちの方。
差別したくて、偏見を持ちたくてやったことじゃなくても
結果的にそうなってしまうこともいっぱい。
家族を守りたくて、自分の所属する組織を守りたくて、
保身のためにとっさにとった行動が誰かを傷つけたり
疎外しているように思われてしまう。
間違った知識を持っていたために、相手を傷つけてしまうことも。
好奇心で尋ねたことが、意外と繊細な問題だったことも。
朝起きて、ああ今日もしんどいニュースのオンパレードなんだろうなとは
思ったけれど。
志村けんさんが亡くなっただけでも衝撃なのに、まさか連動して中国ヘイトが起きるなんて。
こんなことしたら悲しむよ、志村けんさん。
みんなの笑顔が見たくてずっと活動してきたはずなのにね。
時代も境遇もみんな違うけど
ヒロシマの子、フクシマの子、武漢の子…
感染症だけでなく、差別される二次被害者が出ないように
正しい判断力を身に着けて生きていけるように
時代に流されないように