イギリスでも、黙っていられません

海外駐在妻の、世界へ向けたひとりごと

日本と世界、価値観の違い

新型コロナの騒動が始まって以来、人と話したりやりとりする中で

「ああ、価値観や捉え方って、こんなに違うんだな」と驚くことが多すぎる。

 

これまでも、受験や仕事における緊急事態、震災、体調不良などで

そういう場面に立ち会ったけれど、そこにはいつも終りがあって、

数年後にはなんとか軌道修正ができるものだった。

余裕のある誰かが支援し、手を差し伸べてくれた。

 

でも今は、当面新型コロナウィルスの終息の見通しが立たない。

命を失う危険性だけでは済まない。
自分が誰かの命を奪う加害者にもなりかねない。

世界規模での問題なので、国によって、状況によって、捉え方が大きく異なる。

 

欧米人は、医療システムが不完全な国家に生まれ育ったために、セルフケアという名の我慢を知っている。

世界は、リーマンショックで受けた経済損害の甚大さを知っている。

イギリス人は、医療従事者やスーパー・運送会社職員が、命がけで働いていることを知っている。

だからこそ「お金より命」と、今のロックダウンに我慢して従っている。

企業も一斉に休業措置・リモートワークをとっている。

 

じゃあ日本はどうなんだろう?と考えたとき。

 

日本人にとっての今一番の恐怖は、死ではなく、

「新型コロナの波にのまれること」。

日本の医療技術はすごいから。死にはしない。

これが無意識のうちに大前提となっている。

日本の関心事は、

「経済対策はいつなされるの?」「自由に外出できる日はいつ?」「いつまで我慢すればいいの?」「仕事はどうなるの?」に向いている。

 

決して日本がお気楽で楽観主義者なわけではない。

日本の医療制度が、日本の社会保障システムが、経済水準が、こういう価値観を作り上げただけではないだろうか。

 

でも、そんな自分の立ち位置をしっかり自覚しておかないとな、とも思う。

日本という国で、常に誰かが、組織が、政府が助けてくれる。それを待つ。

そんな甘さが、生まれも育ちも日本の私の中に存在する。

 

最悪の事態を想定することは、すごくすごくストレスフルだけど。

いつか自分も切り捨てられる可能性があることを、常に念頭に入れておかないとなと痛感する。

 

この環境から突然追い出されるかもしれない。

体調が突然悪化したらどうしよう。

英国民ではない私は、医療措置を後回しにされるかもしれない。

死ぬかもしれない。

 

そんな最悪の事態も想定しながら

普通に普通に生活している。

 

普通にしてても不安はつきまとうのだから、世界みんなで心配だ心配だ

どうしようどうしようって言っていても事態は変わらないのなら。

今は自分にできることを精一杯やって、

周りを感染させないように行動に配慮しつつ、
気持ちだけは元気で自由にいさせてもらおう。

 

今日本が突然ロックダウンを言い渡されたら、パンクしちゃうよ。

これが今できる最善の措置だったのだと、2週間後も1か月後もそう思えるよう、

せまい心の中にも、小さな幸せと周りへの配慮を積み重ねて、「いい人生だった」といえるようにありたい。

 

 

この記事、とっても大好き

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