イギリスでも、黙っていられません

海外駐在妻の、世界へ向けたひとりごと

イギリスで見つけたアジアの味 -渡英直後-

渡英して1年が経つこの機会に、これまでの日記や写真を振り返った。

 

渡英した当初はすぐに家を借りることができず、しばらくはゲストハウス暮らしだった。

ゲストハウスでは簡単な料理を作って食べることもできたが、炊飯器はないし日本の調味料を揃えることもできず、日本食が、アジアの味が恋しくなった。
そんなときに出会ったアジアの味を振り返ってみたいと思う。

 

 

〇渡英1日目 中華食堂の海鮮麺

 

2週間滞在したホステルは、市街地からだいぶ離れていた。

ホステルから数分歩くと3つほど食べ物屋さんとパブが並んでいて、中国人が経営している食堂に入った。メニューは中国語、久しぶりに麺が、海鮮が食べたい!

ラテン系のお姉さんが3人で食事をしている横で、私たちは「麵」の文字が入った料理を注文した。久しぶりの麺!!と期待する主人と私。

 

しかし、あまりおいしくなかった。市販の米粉麺をぶよぶよにゆでて、出汁をとっていない薄い塩味のスープに冷凍のシーフードを浮かべてある。ごろっと大きなエビやイカ、白菜やマッシュルームでボリュームをつけていることが救いだった。

揚げ物が多いイギリスの食事が続き、スープ料理に飢えていた私は、あまりおいしくないその麺をお箸で愛しそうに食べていた。それを見た隣のラテンのお姉さんが「私たちもあれを食べたい」と注文した。主人の麺は、肉が浮いたしょっぱいスープだった。

私と主人は、食後テンションがさがってしまった。イギリスがまずいというのは、本当なのだろうか。イギリスの食事に、ちょっと疑念が。

 

〇渡英2日目 日本の味に極めて近い、WASABI

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お昼はwasabiというリーズナブルなお日本食屋で食べる。このお店はチェーン店としてイギリスで有名で、ランチボックスやヌードル、おにぎりなどすべてのメニューがテイクアウトできる。私にとって初めてのイギリスでのお寿司。サーモンが4貫と、カリフォルニアロールが4つ。中にはエビフライとか卵焼き、アボカド、かにかまが巻き込まれていて、青のりやごまをまとっていた。シャリはちょうどいい硬さ。久しぶりのしょうゆ、しょうがが荒んだ心に染みる。

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↑主人のヌードルには、なせか揚げぎょうざが浮いていた。ワンタンのような位置づけだろうか。邪道に見えるけれど、日本人好みの味付け(豚ひき肉にも味付けがされている)になっていてほっとした。

 

 

 

〇渡英3日目 トルコの味、ケバブ屋さんに出会う

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世界を旅をするとどこでも出会えるケバブ屋さん。安くて野菜もお肉もしっかりと食べることができるケバブ屋さんに会うとほっとし、何度もお世話になった。私の大きな顔よりもさらに大きな器にたっぷりとドネルケバブ(回転してローストした羊肉)を盛って、レタス、紫たまねぎ、たまねぎ、トマト、ししとうのピクルスをわっさりのせてくれる。

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食べても食べても、下に埋もれたピタパンが見えてこない。半分くらい食べすすめると、やっとピタパンが出てきた。

イギリスのケバブ屋さんは、フィッシュアンドチップスを一緒に売ることが多い。Cod(たら)を注文すると、スモールサイズなのに手のひらより大きなたらの揚げ物が、揚げたてで紙に包まれて提供される。

ポテトの量も半端ではない。

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食べきれないくらい多かったので、この夕食は明日の朝食に続く…

 

〇渡英5日目 テイクアウト可の、タイ風麺チェーン店

 

 

 

まちかどでchop stickというアジア系のお店を見つける。5ポンドでたっぷり食べれて日本人好みの味付けだった。炭水化物は数種類の麺料理とピラフ、チャーハンから選ぶことができ、その上にたんぱく質の総菜をトッピングできる。トッピングを1種類にするか2種類にするか、ボックスを大きくするか否かで値段が変わる。私はピラフとタイ風やきそばのどちらにするか迷ったけれど、タイ風焼きそばにして酢豚のようなものをのせた。

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甘辛いソースとパプリカにあえてあったのはチキンだった。イギリスにしてはふんわりとした食感になっていたのは、片栗粉で衣をつけてあるから。

レビューを見ると評価はいまいちだけれど、イギリスで安くたくさん食べることができ、たんぱく質もしっかりとれる数少ない店であることに違いないし、今も気に入っている。

ベジタリアンメニューも備えているので、いろんな国の人が利用している。

 

 

 

渡英7日目 スーパーのジャパニーズランチボックス

 

イギリスの4大スーパーマーケットのひとつ、マークス&スペンサーで安くなったお惣菜をあさって日本食に挑戦する。

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右に添えたのは、スーパーで買った野菜で作ったサラダ

いかにもまずそうな水っぽい白米。酢飯にしてあるんだけど甘酸っぱくしてあって最高にまずい。ご飯のうえにのっていた切干大根のようなものは、ショウガと人参のピクルスだった。こちらも甘い。照り焼きチキンだという、パラパラと乗せられたチキンはくったりしていて、しょうゆの味もテリヤキっぽいたれの感じもほとんどない。日本の味を真似しようとしたものの、味付けのバリエーションの知識に乏しいために、極端に甘酸っぱくなってしまったり、ジューシーさを欠いてしまった印象。

イギリスのアジア料理には当たりはずれがある。

 

イギリスに1年住んでみて

 

イギリスに1年住むと、評判のいい日本食のお店を知ることができ、イギリスの物価や自分の懐事情を鑑みて、アジアの味を楽しむことができるようになる。

とくに麺料理や中華料理はチャイナタウンで満足の味に出会える。

でも、渡英当初は右も左もわからなくて、そんなときに出会った珍味ともいえるアジアの食堂、安くおなかを満たしてくれたケバブなどのテイクアウト店は、なんとも懐かしく、忘れられない味となっている。

 

美味しいものは世の中にいっぱいあるし、日本のごはんが一番おいしいと思っている。

でも、あの、なんとも物足りない出汁のきいてないスープの味も

今では忘れられない思い出の味になっている。

 

 


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