イギリスでも、黙っていられません

海外駐在妻の、世界へ向けたひとりごと

無料語学学校で英語力が伸びた話2 駐在妻のストレス

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先生と生徒の距離が縮まらない。

無料語学学校に通い始めて数日後、出席する生徒数が半分に減ったのに、先生はちっとも生徒の名前を覚えられない。

「ほみみ、ほみおみ…」先生が私に向かってなにか呪文を唱えているので顔を上げた。先生は、私の名前を呼ぼうと躍起になっていただけだった。

まさか自分が呼ばれているとは気づかなかった。

 

先生たちはやっぱり、生徒が課題に取り組む時間配分を把握できずにいた。

先生はプリントを配り、配り終えた数秒後に生徒をあてる。

プリントは、最初から配っておけばいいのに、始業後にゆっくりと、ひとりひとりに配り始める。機転をきかせて「配るの手伝います」なんて言ったが最後、プリントを読む時間がなくなり、授業についていけなくなる。

みんなプリントが目の前にきた瞬間に、食いつくように読み始める。

 

そして、私にはストレスになることがいくつかあった。

 

ストレス1 私だけ当てられる

 

ある日を境に、先生たちが私の名前を憶えてしまい、私をたくさんあてるようになったこと。

明らかに、私があてられる回数が多すぎる。

先生の死角になる席をねらって座っても、容赦なくあてられる。

 

ストレス2 日本人とのペアワーク

 

もう1つのストレスは、ペアワーク。

私は日本人とペアを組んで課題をやるように指示された。

たまにはペアを変えてくれたらいいのに、そんなことが1週間続いた。

日本人同士で英語を話すことに照れ臭さのある私は、一気にしゃべれなくなった。

黙り込んでしまう私に会わせて、ペアの子も黙り込む。

彼女は私より語学力が高いうえに、察しがいい。

先生は常に私たちのテーブルに来て「話をつづけなさい」「一緒に課題を解きなさい」というのだが、私は支離滅裂な自分の英語をさらけ出すのが怖かった。

そして、自分のプライベートを話すことに躊躇した。

たとえそれが、好きな音楽だろうか、毎日のルーティンだろうが、自分のことを日本人に話すことが怖い。

「相手は私のことをどう思っているんだろう?」そう思うと、言葉が出てこなくなってしまう。

逆に、相手が外国籍だったら、価値観も文法の間違いも気にせずに、思ったことをどんどん話せる。

この性格をなんと表現したらいいのだろう?内弁慶の逆?外弁慶?

 

そんな自分の性格にうんざりし、いろんなことをぐじぐじ引きずりながら英語の勉強をしていると、どんどん注意散漫になった。

正しい答えを選べずに悔しい思いをすることが増えた。すごく悔しかった。

 

ストレス3 筋肉痛と疲労 慣れない家事

 

ストレス3つめは、筋肉痛と疲労。これが一番きつかった。

運動不足の私は、自転車往復1時間がしんどかった。おまけに季節は春で、春一番がいく手を阻む。大通りの排気ガスと大量の花粉で、目が痛くなる。

イギリスの道路は舗装が甘いので、アスファルトの割れ目をよけて運転しないと、腕やお尻にかなりの振動が直撃する。

そんなデンジャラスな通学のあとには、自宅で待っている主人にご飯を作らないといけない。

日本のように種類豊富な惣菜や冷凍食品が存在しないイギリスの田舎町。

食事を1から準備しないといけない。

2日にいっぺん買い物に出かけ、大量の野菜や生肉を購入する。

食材の下処理を終え、米を研いで水に浸けてから語学学校に行き、帰宅して20分以内にご飯を鍋で炊きながら、おかず作りをする(炊飯器を持っていない)。

食事準備と語学学校に費やす時間だけで、1日の大半がつぶれてしまう。

 

大した料理を作っているわけではないのに、私には子どもがいるわけではないのに。

毎日の食事を1から作ることが本当にしんどかった。

そして、主人が時間にうるさいのも厄介だった。

私の帰宅が遅れたり食事の時間が遅れると機嫌を悪くした。

それが5分や10分であろうとも。

 

自転車の筋肉痛はやがて腱鞘炎や腰痛と連動し、食欲が落ちてくると栄養失調を起こし、喉に口内炎ができていたかった。

食べものを見るのも嫌で、生肉のかたまりを切るのがしんどかった。

(それでも、温かな料理を食卓に並べると喉の傷みをすっかり忘れて食べている。

我ながらすごい生命力。)

食事が終わるともう20時半を過ぎている。

うちはその当時、台所で温水が使えなかったから、冷水で皿を洗った。

2月3月の冷え込む時期だ。

家事の中では一番大好きだった皿洗いをこんなに嫌いになるとは思わなかった。

 

どたばたのご飯づくりと、ストレスを感じる語学教室。

そんな1週間が続いたあと、事態は次第に好転する。

 

 

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