イギリスでも、黙っていられません

海外駐在妻の、世界へ向けたひとりごと

無料語学学校で英語力が伸びた話1 先生の態度

イギリスに来てはや半年。

地元でも歴史のある語学学校が、無料で1か月間英語教室を開いてくれた。

 

なぜ無料なのかというと。

新米の先生6人がかわるがわる生徒に授業を行う。

先生たちは、1か月この研修を続けることで、CELTAという英語教育の資格を取得する。

生徒の私たちは、彼らの資格取得のために生徒を演じる。

ということで、授業料は無料になるのだ。

 

「新米の先生」というから、大学を卒業したばかりのフレッシュな人たちを想像していた。ほら、教育実習の先生のような。

しかし、実際の先生は壮年期のおじさんがほとんどだった。

フレッシュといえば、きれいな20代の女の先生一人だった。

 

そんな先生たちを日本の教員と比較すると、さまざまな点で驚きがあった。

中でも印象的なのは、「教える態度」だった。

 

CELTAの教員の比較対象にしていいのかわからないが、日本の教育実習と比較をする。

 

日本の教育実習

日本の教育実習では、実習生は死にものぐるいで授業計画を立てるし、生徒の名前と顔を一生懸命覚える。

間違えたら、信頼関係にひびが入るから必死だ。

生徒の心境を察し、ガラスのハートを傷つけないように、そして学びのモチベーションを下げないように、面白い問いかけや会話の流れを入れた授業をつつがなく行うために、寝る間を惜しんで勉強する。

間違えてはいけないのは生徒の名前だけではない。

教える内容、漢字一文字にも繊細な注意を払わなければならない。

自信をもっているかのように授業をすることが鉄則。

生徒に不安感を抱かせない。

 

CALTAの教員育成システム

 

私は、CELTAの先生たちも日本の教育実習に似たようなものだと思っていた。

私も過去に教育実習をしたことがあるから、「人に教える」大変さを知っている。

教員を目指す新米先生の頑張りを労うつもりで、授業にも積極的に参加していこうと決めていた。

 

しかし、その期待は初日に裏切られた。

 

まず、先生たちの作ってきた教材がひどかった。パワーポイントに表示される英文は間違いだらけ(簡単なスペルどころか、文法用語の解説が根本的に間違っているという痛恨のミス。そして、そのミスに気付かないまま授業をすすめるというアバウトさ)。

ほかにも、ハラハラするようなミスが続く。

そして、先生たちは生徒の語学レベルが把握できない。

リーディングの課題の指示を出したときのこと。

読み始めてまだ30秒後しか経っていないのに、先生は生徒を当て、答えを求める。

時間が足りず困惑する生徒の様子に気づかず、間違えるとどんどん違う生徒に当てる。ますます混乱する生徒たち。

極めつけは、生徒のお国なまりが聞き取れなくて、途方に暮れてしまう先生。(たしかに、中国やスペインのなまりは私にも聞き取りにくかった)

初めてだから緊張するよね、と穏やかに見守ることにしたものの、翌日も続くグダグダ感。

ある先生はゲームを企画したものの、チーム分けすらできず、代わりに生徒の一人が手際よくチーム分けをした。

また、先生たちは生徒のネームプレートが読めず、読みやすい名前の生徒にばかり指名するようになった。

よって、中国人の指名回数は異様に少なく、イタリア人のラファエルが何度も当てられる。

そんなぐちゃぐちゃな初日2日間だったので、最初に登録をした31人の生徒のうち、最後まで出席し続けたのは13人程度だった。

 

これからどうなることやら、と思いながら、それでも私は2週間通うことを決めていた。

 

「無料」とはいうものの、20ポンド(3000円程度)のデポジットをすでに払っていたからだ。

これを返してもらうには、授業の8割に出席しないといけない。

交通費ももったいないから、バスには乗らず、片道30分ほど自転車をこぐ。

 

たった20ポンドと思う人もいるだろう。されど、私には大きな20ポンド。

どケチ精神から始まった、私の1か月の語学教室。

なかなか色濃い時間だったので、まだまだレポートは続く。

 

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