イギリスでも、黙っていられません

海外駐在妻の、世界へ向けたひとりごと

【ブックレビュー】『その「グローバル教育」で大丈夫?』ヤマザキマリ・小島慶子

 

ヤマザキマリさんと小島慶子さんの対談、すごい面白そう!

と、読み始めたこの本。

 

 

その「グローバル教育」で大丈夫?

その「グローバル教育」で大丈夫?

 

 

本当に興味深い内容でした。

 

ヤマザキさんは「テルマエロマエ」の原作者として有名になり、

そこからメディアに多数出演し、歴史についての知識が豊富で

お人柄と発信する言葉がとてもエネルギッシュなので大好き。

 

小島さんは、夫が50歳で突然退職、オーストラリアに家族で移住。

小島さんが一人で日本とオーストラリアを行き来しながら仕事をし、

家族の大黒柱になったという経歴がとても興味深く。

 

はたから見たらとても柔軟に、順風満帆にお子さんをグローバル教育の中に

おいているように見られるお二方ですが、実はそうではなく。

いろんな都合やなりゆきの中でグローバル教育の中に自分の子が育つこととなった。

二人の等身大の言葉で子どもたちに期待することを語っているのですが、

終盤に進むにしたがって、重要で面白いコメントばかりになっていく…

 

イギリスから帰国してから、私がずっとずっと感じていることなのですが、

「しきたりや慣習に囚われた価値観を子どもに押し付けず、豊かな人生を

歩んでいきたい」という気持ちがまた高まりました。

 

この本を読んで一番印象的だったのは、グローバル教育うんぬんではなく、

「当たりまえ」と決めつけている潜在的な価値観をどうするか?という問題提起。

 

「夫の方が長く働いて、多く稼いでくれて当たりまえ」

「親を完璧に演じるべし」という潜在意識を持っているがために

心が非常に不自由になっていることを強く痛感しました。

 

この潜在意識はすぐにぬぐえるものではないし、生きていく中で常に

ぶち当たったり、頭でわかっていても心では納得できずに悶々するに決まっている。

 

でも、その悶々や、そこから発生する不安や葛藤で

自分の人生を不幸に思ってしまったり、せっかくのチャンスを見逃さないように

アンテナをはって生きていかないと…

 

そんなことを思いました。

 

そして、自分の将来の子どもに、どんな「グローバル教育」をすすめたいか。

ヤマザキさんのこの言葉のような教育を、子どもに提示していきたいと改めて思いました。

 

ヤマザキ:一つの場所で腐ってはダメ。例えるなら、サトウキビ畑の中を歩くようなものかな。

今進んでいる一本道の周りは背の高いサトウキビ畑がびっしりと生えた壁のように見えるけれど、

そのサトウキビを自分の手で刈れば新しい道を作ることだってできる。

刈ったサトウキビを自分の脚で踏んでいけば、道ができる。

進んだ先には開けた世界が待っているかもしれない。だから、サトウキビを刈る方法を教えてあげる。そういうことじゃないかな。

 

小島:そのためには、刈り方を知るための経験を親がしていることが大事だということですよね。

ヤマザキ:そう。親自身が「どこででも生きていける」という実感を持てたら、

子どもへの向き合い方にもゆとりが出る。何よりラクになるはずですよ。

 

 

 

 

 

自分が親にしてもらったことにこだわりすぎず、自分がいいと思ったことを

子どもと一緒に考えて築いていけたらいいなと改めて思う。

 

 

子どもが授からなかったら、社会に還元していくということで。

 

妊活と将来の仕事に向けて新たな資格の勉強を始めつつ、

ことがなにも進展せずに焦っている気持ちをおさえ、

久しぶりにゆったりと本を読んでみた週末でした。