イギリスでも、黙っていられません

海外駐在妻の、世界へ向けたひとりごと

イギリスロックダウン52日目 イギリスのリンゴとリンゴのお菓子

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 久しぶりにリンゴを買ったら、あんまりおいしくなかったので煮リンゴにした。

旬じゃないせいだろうか。

 

アップルパイを作りながら、不意に書きたくなったリンゴの話。

 

An apple a day keeps the doctor away

 

高校の英語の授業で、先生がスヌーピーの漫画を紹介してくれた。

An apple a day keeps the doctor awayは、そのときに先生に教えてもらった印象的なことわざ。

「1日1個のリンゴで医者いらず」。

当時の私にはピンとこなかったけれど、今ならわかる気がする。

 

日本のリンゴは甘くて1日一個食べるには大きすぎる。

でも、イギリスのリンゴはこぶし1個サイズで酸味が強く、食べきりやすいサイズ。

 

日本のりんごとイギリスのリンゴ

 

日本は、蜜がたっぷり入ったシャキシャキの甘いリンゴが好まれているけれど、イギリスは酸味の強いリンゴが好まれているような印象がある。

それから、リンゴだけでなくいろんな果物を砂糖で煮たりチャツネにしたり、シナモンを加えたり…と、よく調理に使われるせいかもしれない。

最近読んだ本によると、中世ヨーロッパでは生の果物は毒扱いで、砂糖漬けにしたり調理して使うことがほとんどだったという。

その本ではアジアのデザートについて「とくに中国などは生のフルーツをデザートとして昔から提供されてきた」と紹介していたので、文化の違いにびっくりする。

 

イギリスのリンゴの種類

 

渡英してすぐ、イギリスの代表的なリンゴ6種を教えてもらった。

名前と特徴はこちら。

1.Cox

イギリスで定番のリンゴなのだという。林望先生も「イギリスはおいしい」というエッセイで紹介していた。とある映画の中でイギリス人女性がフランスかどこかの国に来て「リンゴといったらコックスでしょう?どうしてコックスがないのよ?」と騒ぎ立てるシーンを引き合いに出し、イギリスとってコックスというリンゴは「なくてはならないもの」として紹介していたように思う。

 

食べた感想:1個食べきるのにちょうどいいサイズ。

イギリス人がランチに持ってくるリンゴは、このコックスが多いんじゃないかなと思う。

シャキシャキ感が足りず酸味が強く、日本人が好むリンゴとはかけはなれている印象。

 

 

 

2.Granny smith

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青りんごで、coxよりも高価。酸味が強いけれどcoxよりもシャキシャキでジューシーで、私はこれ、大好き。

 

3.Golden delicious

 

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日本の王林というリンゴとの掛け合わせだという青りんご。

甘くて、歯ごたえに欠けるリンゴ。

サイズはgranny smith よりも大きめ。

 

 

 

4.Braeburn

日本人が一番好むタイプのリンゴなんじゃないかなと思う。

甘みとシャキシャキ感が、日本のリンゴに近い感じがする。

Sainsbury’s で12月に購入した、絵に描いたようなシャープな形をしたBraeburnが、イギリスで食べたリンゴの中で一番おいしく感じられた。

 

 

5.Bramley

調理用のリンゴで、安い。

生で食べてみたところ、歯ごたえがないどころか渋みもあって残念だった。

アップルパイにしてみたら、酸味の効いたリンゴのおかげで、日本のアップルパイとは異なる味となった。このリンゴを使ったアップルパイ、意外と気に入っている。

日本のものは、私には甘すぎる気が…

 

 

 

6.Russet

名前は聞いたものの、まだ出会ったことがない。

梨のような色をしていて、「高級感のあるしっとりとした味」と聞く。

どこに売っているんだろう。いつか食べてみたい。

 

イギリスのリンゴのお菓子

 

アップルパイ

 

日本人が食べる、バターの味がしっかりとして何層にも重なったあのパイ生地ではなく、もっとサクサクとして、フィッシュパイなどしょっぱいパイにも使われる「shortcrust pastry」というパイ生地を使うのが定番だという。

そして、リンゴは砂糖煮ではなくバターと砂糖とシナモンをたっぷり和えて作られている。

 

 

アップルクランブル

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イギリスのクリスマスマーケットの屋台で定番という、アップルクランブル。

見た目はそんなに惹かれないのだけれど、食べてみると大ファンになった。

 

クランブルというのは、バターと小麦粉と砂糖で作ったそぼろ状のもののこと。

屋台では、黒糖やオーツ麦、ジンジャーなどを混ぜていくつかのフレーバーを用意し、好きなものを選ばせてくれた。私はジンジャーを選択。

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これに煮リンゴとカスタードを和えて食べる。

 

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屋台では、煮リンゴ以外にベリーのソースの選択肢もあった。

 

手作りのときには、「バニラアイスと一緒に食べてもおいしい」という説明を読んでうっとりとしてしまった。

イギリスはカスタードがあまり甘すぎず、リンゴの味をメインにしていて非常に食べやすい味だった。

粉末や既製品のカスタード、即席アップルクランブルのキットがスーパーに販売されているので、家庭でもよく食べられているのだろうか。

クリスマスは、アップルクランブルにシードルというリンゴ酒、そしてドライフルーツのリンゴやオレンジがクリスマスデコレーションに使われ、イギリスはリンゴが好きな国なのだなーと解釈している。

 

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